本日の気になる記事「日本、牛肉買い負け懸念 セーフガード発令14年振り」

こんにちは、UniJOVO管理人の池田です。
本日の記事は、アメリカから日本に輸入される牛肉についての記事です。
大手チェーンの牛丼屋さんで使われるお肉は輸入牛ですから、
学生さんも他人事ではありませんね。

さて皆さんは日本とアメリカの牛肉貿易状況について、
どのようなイメージをお持ちですか?

日米貿易摩擦と言われるように、
アメリカは日本にもっと米国産牛肉を売り込みたい、
だから関税をもっと下げるように要求しているイメージがあります。
ただ、日本側も国内の畜産業者を守るために高い関税率を維持し、
安い米国牛の輸入を制限したい・・そんな印象かと思います。

しかし、本日紹介する記事のタイトルは、「日本、牛肉買い負け懸念」でした。
日本はあまり米国牛を買いたくないはずなのに買い負けるとはどういうことでしょうか?

これには中国が関わってきているようです。
中国は2017年5月に米国牛の輸入を14年振りに再開する計画を発表しました。
中国はBSE問題でアメリカからの牛肉輸入を14年間行ってなかったんですね。
それが解禁されるということですが、そうなったらどうなるでしょう?
人口大国ですから米国牛需要が増加し、価格も上昇します。

この発表を受け価格高騰を懸念した日本の食品企業は米国牛のまとめ買いに走りました。
その結果、
4~6月の輸入量は前年に比べて約2割増加、
緊急措置である「セーフガード」の自動発動、
米国牛の輸入関税が38.5%から50%に上昇。
この高い税率は2017年8月から2018年3月まで継続されます。

中国の輸入再開に加えて、関税も上昇したことで、
日本の米国牛価格は確実に上昇しますね。
そうすると、牛丼並盛はいったいいくらになるのでしょうか?気になるところです。

ちなみにセーフガードとは、
1990年代の貿易自由化交渉で、日本が牛肉の輸入関税を下げる代わりに、
輸入量が急増した時は緊急措置として関税を上げることを認められ措置。
その増加率基準が17%ということで、今回はそれを超えてしまったわけです。

牛肉の市場は貿易摩擦の火種にもなっていることから、
これまでは買い手市場でしたが、中国の輸入再開で生産国は強気に出ています。
オーストラリアでは
「豪州産の牛肉は中国がいくらでも買ってくれる。日本にわざわざ輸出しなくてもいいんだ」
という発言をするほど。

日本の問題は、
・輸入牛を中国に買い負ける
・セーフガード発動と中国の台頭で米トランプ大統領の日本に対する心象悪化
ということがあげられます。

牛丼が高くなるだけでなく、自動車を中心とした輸出企業への影響が出そうです。
日本の畜産を守るのか、アメリカとの関係を保ちその他産業を守るのか、
今後どういう対策をとるのかに注目したいと思います。

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