本日の気なる記事「ダメならみんなクビ」

こんにちは。UniJOVO管理人の池田です。
本日は過激なタイトルですが、
出光興産の記事です。

「出光と昭和シェルとが合併する」という話はご存知でしょうか?
赤い顔のロゴと黄色い貝殻のロゴは、道路を走っていると多く目にしますよね。
その2社が合併するわけですから、石油元売り会社の大きな再編ということがわかります。
ガソリンスタンドの数は1996年から半減するほど厳しい市場環境にありますので、
大手といえども安泰ではない状況です。

ただ、その合併は1年前から停滞しています。
マスコミに公表される前であれば十分ありえることですが、
公表された後ですから、ほぼ決定事項のはずです。
何があったのでしょうか?

実は、出光興産の経営層は合併を推進しているのに、
創業家が反対しているということなんですね。
その理由は、「合併で存在感が薄れる」ことを恐れているとのことです。
創業家は33.9%の株を保有しており、大株主として合併に反対できる議決権があります。

それが7月初めの経済新聞に
「出光、増資決定」
という記事が出ておりました。
が、ぼくもタイトルだけ見て読み飛ばしてしまいました。
ただ、この増資は出光に大きな意味があったんですね。
それが、本日の記事に載っておりました。

増資決定までの経緯はこうです。
・出光では、社長を含む経営陣は会社存続のために合併が必要不可欠と考える。
・そのために増資を行い、反対する創業家の株保有比率を33%から20%代に減らしたい。
・それを創業家に知られないように水面下で計画。
・6月29日の株主総会で社長再任を含む人事案を議案。
・創業家は人事案に反対したが、賛成多数で可決。創業家以外の株主はほぼ社長再任の人事案に賛成。
・7月3日の取締役会で増資を決定し、発表。
・創業家は「議決権比率の希釈化が目的の増資」として、東京地裁に新株発行差し止め仮処分を申請。
・東京地裁も東京高裁も増資を認める判断。
・7月20日に増資実行。
・創業家の株保有比率は33.9%から26%に下がり、合併阻止に必要な3分の1を下回った。

ということで、創業家を抑えて合併に大きく前進したということです。
ただ、この増資が失敗していたら経営層は「みんなクビ」だったわけです。

新聞に載る経済記事は淡泊な印象で何気なく読み飛ばしてしまいますが、
詳しく読むとドラマチックな内容だったりしますね。

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