本日の気になる新聞記事「てるみくらぶ 経営破綻」

こんにちは、UniJOVO管理人の池田です。
本日の経済記事は皆さんにも身近な「旅行」に関する内容です。

会社に休暇の申請もして、旅行会社にお金も払って、
楽しみしていた旅行が中止になった・・
としたら皆さんどうでしょうか?
しかも払い込んだお金が返ってこない・・
となったら、そのストレスだけで病気になりそうです。

今回は、旅行代理店のてるみくらぶが経営破綻したということで、
それが現実となりました。
負債総額が151億円で、リーマンショック後では最も大きい規模の倒産となります。
日本旅行業協会に預託している保険で1億2千万円が保証されるそうですが、
申込者が支払ったお金の1%程度が戻ってくるか、というやりきれない状況です。

また、現在てるみくらぶを通じて海外に渡航している旅行者は2500人とのことで、
その方たちは、飛行機に乗れず帰国できないリスクや、
滞在するホテルで改めて宿泊費を払わなければならない負担増があるようです。

なぜ、てるみくらぶは破綻してしまったのでしょうか?
記事によると「新聞広告に費用を使い過ぎた」ということでした。

なぜ、そこまで広告にお金をかける必要があったのでしょうか?
これはどうやら同社のビジネスモデルが成り立たなくなり、
たくさん広告を打つしか打開策がないほど追い詰められていたのではないかと思われます。

同社のビジネスモデルはどんなものだったのでしょうか?
格安海外旅行を売りにしていたということですが、
「飛行機の大型化に伴い空席が出る」⇒「空席分の航空券を安く仕入れる」⇒「安い海外旅行を提供する」
というビジネスモデルだったようです。

ただ、近年の傾向としては、
・飛行機は燃費等も考慮し中型機が主流となる。
・円安の影響で日本渡航者の数が増え飛行機に空席が無くなる。
という背景から格安海外旅行が企画しづらい背景があったようです。

それでも売りは「格安海外旅行」しかないということであれば・・・
⇒薄利もしくは赤字の旅行を企画
⇒その穴埋めを次の旅行者の現金でまかなう
⇒現金を仕入れるために広告を多く打つ
⇒負債が増えていく
という自転車操業であったのかもしれません。

旅行代理店というと、お客様に喜ばれる仕事という印象がありますが、
そう簡単な事業ではないことが分かります。
知り合いの九州の旅行代理店の経営者が言っておりましたが、
平成28年に起こった熊本の大地震で九州への旅行キャンセルが相次ぎ、
9千万円の売上減少になったということです。

事業の厳しさを改めて考えさせる記事でした。

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